理系学生の学生生活の中心となる研究室選びにおいて、見学の際にどんなポイントを聞けばよいかをまとめていきます。
- これから研究室選びを控えている学部生
- 院から研究室を変えたい人
研究室見学の意味
研究室選びで気になることは、就活・進路面と研究室生活面の2つだと思います。
「実際にどのくらいの時間を就活に割くことができるのか」や「研究室の雰囲気が良いか」などは実際に見学したり学生や教員に聞くことでしか確かめられません。
今回はそのあたりの事前に聞いておくべきこと・チェックポイントをまとめていきます。
研究室見学に行った際に聞くべきこと
大きく「教員に聞くべきこと」と「学生に聞くべきこと」に分けられます。
例えば就活のしやすさや研究内容への評価は、学生と教員で認識が異なる場合があるからです。
いくつかの質問は教員と学生に聞き、双方がどういった視点で認識しているかを聞くのがおすすめです。
教員に聞くべきこと
- どういう学生が多いか・研究室の雰囲気はどうか
- どういった研究をしているのか
- 成果はどのくらい出ているか(
- 共同研究や国のプロジェクトなど(教員の意思・意見のみで研究が行われていると、こういうのから資金を得ないケースが多いです)
研究室の雰囲気について
学生の雰囲気と就職先や研究成果は関係がある気がするので雰囲気は教員・学生のどちらにも聞いておいた方が良いです。
雰囲気が良いと研究成果も出やすい傾向にあり、就職先のレベルも高い傾向にあると思っています。
研究室の雰囲気が良いと、みんなが頑張っていたりたくさん会話するので情報が入ってきやすくなります。そのため就職活動でも有利に立ち回ることができて就活がうまくいきやすくなります。
そしてそのような成果が出ると毎日楽しくなりますよね?楽しい気分の人が集まれば、雰囲気が良い研究室の完成です。こうして好循環が起きているのではないかと考えています。
聞くべき質問は、「どういう学生が多いか」「研究室の雰囲気はどうか」「どういった学生に来てほしいか」です。このあたりを教員に聞けば、教員の雰囲気もついでに掴めます。
研究内容について
研究内容は概要くらいは説明してくれることが多いですが、だいたい聞いてもその場ではわからないことが多いと思います。
できたらある程度調べてから質問するのが好ましいですが、複数の研究室の研究概要を調べていくのは結構大変です。
なので、基本的には研究内容の深い部分よりは、「どういう部分が面白いのか」「どんな役に立つのか」という質問をすると良いと思います。
ちなみに、「絶対やりたくない」というテーマでなければ、後述の「成果が出やすそうか」で決めるのも良いと思います。
研究成果について
成果が出ている研究は、その発展が容易でありさらなる成果が出やすい傾向にあります。具体的な例としては、系の確立ができている研究を引き継ぐとその応用の数だけ成果が出せる可能性があります。
例えば、有機合成における反応を開発した際にはその反応を用いた別の物質の合成及びその応用がテーマになります。
そのようなテーマでは、スタート地点が「結果が出るかどうかわからない」ではなく、「たぶんこれを使えばうまくいきそう」というものになります。そのためうまくいく確率も比較的高く、やることも明確になっており研究のストレスが格段に減ります。
特にやりたい研究がない場合、こういった成果の出やすいテーマを扱っている研究室を選ぶことは1つの戦略だとと思います。
研究費関連のこと
共同研究をしているかや国のプロジェクトに採択されているかどうかなどの研究費関連の話は、学生に聞いてもほとんどわからないので気になる場合は聞いておきましょう。
せっかく研究のモチベーションが高いのに、研究費がなくて研究がストップしてしまうことは研究室によってはあります。
それに、良い装置が使えないために良いデータが取れず成果のレベルが下がってしまうことはよくあることです。
学生に聞くべきこと
研究室見学では、できるかぎり学生とたくさん話をすべきです。
理由は、修士まで進めばその人たちと数年間は一緒に過ごすことになるからです。
詳細は書きませんが、主に聞いておくべき質問は以下の部分です。
- どういう雰囲気の研究室か
- 研究以外の交流が多いか
- コアタイムや輪講・定例の研究ディスカッションの頻度
- 教員について
- 就職活動がしやすいか
- 学部/修士卒の進学/就職先
- 研究設備は整っていると感じるか
雑談レベルでもいいので、研究室の雰囲気をつかむことを最優先しましょう。
コアタイムや定例ディスカッションなどは他の人から聞くで十分な内容だからです。
また、個人的には教員について聞いておいた方が良いと思います。
授業や説明会でしか見たことのない教員が研究室内だと全く違うキャラということも少なくないです。
「怖くないか」「理不尽じゃないか」「就活に理解があるか」「学生を大切にしているか」など、学生がどう感じているかを聞いてみると教員がどんな人かつかめるかもしれません。
まとめ
研究室見学で聞いておくべきことを書きました。ポイントは「どんな学生がいるか」「教員はどんな人か」をつかむための質問をすることです。
長い人で数年間はお世話になる研究室です。自分に合ったところが選べるようにじっくり選びましょう。