本記事では、後悔しないために失敗しない研究室選びのやり方についてざっくりと解説します。特に、快適な研究室生活を送るためにどんな研究室が良いのかについて書いていきます。
- 研究室選びに不安がある人
- 研究室を変えたいと思っている人
- 卒業後の進路で迷っている人
そもそも何のために研究室に入るのか
- 研究者になるため
- 就職活動で希望する職種に就くため
- やってみたい研究テーマがあるから
いろんな理由があると思いますし、どれが研究室に入る理由であっても良いと思います。
私は「研究者になる」または「企業で研究職に就くため」に研究室に入りました。
やりたいことがある場合の研究室選び
簡単です。やりたいことができるところへ行けばいい。
ただ、同じようなことができる研究室が複数あったり、研究室の雰囲気は結構違ったりします。なので、やりたいこと以外の決め手を以下に書いていきます。
知っておいてほしいことは、研究室や研究テーマによっては入る企業や職種に制限が出る場合があるということです。
そのため、自分がどんな職種に就きたいのかを早めに考えておく必要があります。
研究室が違えば扱うテーマも違い、将来的に働くことのできる職種・企業も変わります。
化学系を例にとれば、有機化学を専攻した学生と化学工学を専攻した学生では、まったく異なる職種・企業へと就職していきます。
そのため、この先数年程度の学生生活のことを考えるだけではなく、長期的なキャリアを見据えた研究室選びを本当はすべきです。
やりたいことがない場合の研究室選び
次に、やりたいテーマ以外の決め手についてお話しします。
研究室生活を2年半送った私がもう一度研究室選びをするなら、重要な決め手は以下の通りです。
- 研究室の学生の雰囲気が良い
- 成果が出ている
- 研究費がある
- 進学・卒業率が自分に合ってるかどうか
研究内容<研究室の学生の雰囲気
やってみるとわかりますが、研究ってかなり地味です。成果として出てくるものはすごい派手なものでも、実験しているときは身をかがめて机に何時間も向かっている、というようなことも少なくありません。
そういった地味な研究を毎日のようにしてく上で、研究室の雰囲気は非常に重要です。明るく活気のある研究室のメンバーからは、たとえ地味な実験にも耐えられるだけの元気や活力が周りからもらえます。
逆に雰囲気の悪い研究室では、研究自体が面白くても研究室生活・研究活動がつらいということになりがちです。
特に興味のあることがない場合には、研究室の雰囲気で選ぶのはかなりおすすめです。
成果が出やすい研究をしている
基本的には成果の出やすい研究をした方が良いと思います。理由は、「論文を書く経験や奨学金がもらえる可能性がある」「精神的に安定する」の2つです。
企業でも研究職ならば論文を書く機会があるので練習しておくに越したことはないです。
また、成果が認められれば日本学生支援機構の貸与奨学金の返済免除なども大学によってはあります。
また就職活動に専念したい時期にも、すでに成果が出ていると融通が効きやすくなる場合もあります(日ごろから教員からの印象良くしておきましょう…)。
そして何より、研究で成果を生むことで精神的に病みにくくなります。
研究で精神を病んでしまうのは成果が出ないからだと言っても過言ではないです。
研究費のある研究室
企業との共同研究を受け入れていたり公表されている国のプロジェクトに採択されている場合、使える研究費は多いです。
その分、学会に出たり論文を出す費用が増えますので、成果も出やすい傾向にあります。
研究費がない研究室では、研究に使用する道具が買えなかったり実験が中止になることもあるみたいですので、軽く確認しておきましょう。
進学・卒業率が自分に合ってるかどうか
就職面において、他の学生も同じタイミングで卒業していく研究室を選ぶと色々と都合が良いです。
私の所属している研究室は9割以上の学生が院に進学するため、研究室内の発表会や週次ミーティングは学部就活のことが全く考慮されてません。
そのため、それを知らずに入ってしまうと就活と研究、そして授業などにスケジュールが圧迫されてしまってしんどいで思います。
まとめ
研究室をもう一度選ぶならという立場に立って研究室の選び方を考えてみました。
研究だけではなく、授業も就活もしないといけないので研究室生活は結構忙しいです。そして、そんな研究室がつまらないとさらに悲惨になります。
おまけ: こんな研究室はやめとけ
おまけとして、「逆にこんな研究室は嫌だ・やめとけ」という特徴を書いておきます。個人的な意見では「とにかく雰囲気が悪い研究室はやめとけ」と伝えたいです。
- 教員が怖い
- 研究室の学生が暗い
- 治安が悪い
教員が怖い
教員(特にボス)が怖い研究室では学生が萎縮し、意見が言えない・成果を出さなくてはと焦ってしまい精神疾患になるなどのブラック研究室特有の悪循環になりやすいです。
教員の中には就職せずに研究室の中でずっと過ごしている人間もおり、社会性に欠けた人がいるという話も良く耳にします。
「研究はじっくりやるもので成果が出なくても当たり前だ」とどっしりと構えてくれる教員の元で研究するのが良いと思います。
研究室に暗い学生しかいない
理系には文系に比べてコミュニケーションが苦手な人が多少多い印象があります。もちろんあくまでイメージなのですが、たまにそういった学生が集まってしまう研究室があります。
そのような研究室では学生間のコミュニケーションが取りにくく、雰囲気が悪くなりやすいです。
研究室見学で数年間その研究室の人たちと一緒に過ごすことを想像してみましょう。
治安が悪い
ここでいう治安が悪いというのは、「無断欠席や研究室に行かなくても良いという雰囲気がある」ということです。
無断欠席・研究室に行かなくても良い雰囲気は研究を雑にやる原因になります。
研究室はサークル以上に人と一緒にいることができるところなので、せっかくなら楽しんで過ごしましょう。